セメント・生コン高騰で​マイホーム予算はどう変わる?資金計画

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アンカーボルトが立つ住宅のコンクリート基礎

「マイホームを建てたいが、材料費が上がっていると聞いて予算が心配…」2026年現在、セメント・生コンクリートをはじめとする建設資材の価格高騰が続き、新築住宅・リフォームの見積もりが想定より大幅に上回るケースが増えています。この記事では、資材高騰が住宅価格にどう影響するかを解説し、施主が取れる資金計画の見直し方法と、適正価格で施工できる信頼業者の選び方を具体的に説明します。

一戸建て住宅のコンクリートの基礎
一戸建て住宅のコンクリートの基礎(イメージ)
目次

セメント・生コンの価格はどのくらい上がっているのか

国土交通省の建設工事費デフレーターによると、2020年度を基準(100)とした場合、2025年度(暫定)の値は建設総合で121.9でした(2026年6月30日付の年度別の値)。さらに、日本時間2026年2月28日に米国とイスラエルがイランへの攻撃を実施し(外務大臣談話)、ペルシャ湾内に船舶が留め置かれるなど、ホルムズ海峡を通る輸送にも影響が出ました。住宅建材のメーカー各社も値上げを発表しており(例:積水化学の雨どい・デッキ材は20%以上・2026年5月20日出荷分から・積水化学工業の発表)、今後の値は、国土交通省が公表する最新の数字で確かめることが大切です(出典:国土交通省「建設工事費デフレーター」年度次の表(2026年6月30日付け)・国土交通省「建設工事費デフレーター(2020年度基準)の概要及び改定内容について」・積水化学の値上げの記事(雨とい・塩ビデッキ材 20%以上)・確認日 2026-10-03)。特にセメント・生コン関連は、エネルギーコスト(重油・電力)や輸送費の影響を受けやすい資材です。

生コンの値段の例では、東京地区生コンクリート協同組合が、基準の配合の販売価格を1立方メートルあたり2万5000円としていて、2027年4月1日出荷分から3万円に引き上げるとしています(出典:日刊建設工業新聞 2026年7月27日。東京地区の協同組合の販売価格で、地域や取引の条件によって値段は違います)。

住宅1棟あたりのコンクリート使用量は構造・規模によって異なりますが、木造住宅でも基礎部分には相当量の生コンが必要です。生コンの値上がりは基礎工事費にも表れるため、施主への影響は無視できません。

【2026年5月 緊急追記】中東情勢による資材高と新しい局面

本記事の情報は2026年5月時点に更新されています。イラン周辺の軍事的緊張が高まり、世界の石油の消費量の約2割にあたる量が通るホルムズ海峡(2024年・米国エネルギー情報局)での輸送リスクが表に出ました。この影響で日本への原油・石油化学製品(ナフサ)の供給が不安定化し、建設業界は「価格高騰」だけでなく「資材の入手困難」という新しい局面を迎えています。

資材高騰がマイホーム予算に与える3つの影響

① 建築本体工事費の増加

基礎・躯体(く体)工事に使用するセメント・鉄筋・生コンの価格上昇は、建築本体工事費に直結します。2020年に3,000万円で建てられた住宅は、同じ仕様でも2025年時点で費用が上がっており、2026年5月以降は住宅建材の値上げが加わって、さらに上乗せされることがあります。加えて、2026年6月にはフラット35 の借入金利(最低の金利)が3.21%に上がっており、月々の返済額増加とのダブルパンチになっています。

② 見積もり後の価格変動リスク

契約から着工まで期間がある場合、その間に資材価格が変動する可能性があります。契約書に「資材価格変動による見積金額の変更あり」という条件が記載されている場合、着工時に追加費用を求められることがあります。この点を事前に確認せずに契約すると、予算オーバーのリスクがあります。

③ 工期の遅延による間接コストの増加

生コンや資材の供給不足による工期遅延が起きた場合、仮住まい期間の延長・引っ越し費用の増加・住宅ローンの繋ぎ融資期間延長など、間接的なコストが膨らむことがあります。着工前に「資材調達の見通し」を業者に確認することが重要です。

電卓と色の付いた家の模型
電卓と色の付いた家の模型(イメージ)

2026年の新リスク:生コンクリートが「手に入らない」可能性

従来の資材高騰は「価格が上がる」問題でした。しかし2026年春以降、建設業界はより深刻な「資材が手に入らない」リスクに直面しています。

生コンクリートは、練り混ぜてから打ち込みを終えるまでの時間に限度があります。日本建築学会の JASS 5 では、外気温が25℃未満なら120分、25℃以上なら90分です。JIS A 5308 では、練り混ぜを始めてから1.5時間以内に荷卸しができるように運ぶこととされています。作り置きができないため、着工やコンクリートを打つ日の段取りを、工事の会社と早めに確かめておくと安心です。

マイホームの建設を計画している施主にとって、このリスクが意味するのは:

  • 着工の遅延:基礎工事に使う生コンが確保できず、着工時期が数週間〜数ヶ月ずれ込む可能性
  • 工期の延長:資材の入荷待ちにより、引き渡し日が後ろ倒しになるリスク
  • 追加費用の発生:工期延長に伴う仮設費・管理費の増加が契約金額に上乗せされるケース

契約書を結ぶ際は、資材が手に入らず工期が延びたときに、工期や費用をどう扱うかが書かれているかを確かめ、分からない点は契約の前に施工会社に聞いておくと安心です。

施主が今すぐできる資金計画の見直し4ステップ

ステップ1:見積もりの有効期限を確認する

業者から受け取った見積もりに「有効期限」が設定されているか確認します。資材高騰の影響で、見積もりの有効期間が短く設定されることがあります。期限が過ぎた見積もりを基に契約すると、差額が発生する場合があります。見積もりを比べる業者が建設業の許可を持っているかは、都道府県別・業種別の建設会社の一覧から会社ページを開いて確かめられます(載っている情報は、会社ページの「データの更新日」の時点のものです)。

ステップ2:「資材価格変動条項」の有無を確認する

契約書・工事請負契約書の中に「資材価格の変動が一定割合を超えた場合、甲乙協議のうえ変更する」という条項があるか確認します。この条項がある場合は、変更の上限・下限・協議タイミングを事前に業者と合意しておきましょう。

ステップ3:予備費を工事費の15〜20%以上確保する【2026年版】

資材高騰が続く2026年環境では、見積もり金額から15〜20%以上の予備費を資金計画に組み込むことを、本記事では目安としています。2026年は住宅建材のメーカーごとの値上げが続いており、防水材や塗料で値上げが発表されています(2026年4月〜6月に、各社が値上げや受注・出荷の停止を発表)。値上げが続く2026年は、少なめの予備費では足りなくなることがあります。住宅ローンを申請する際にも、この予備費を含めた金額で審査を受けることで、追加費用が発生した際の資金ショートを防げます。

ステップ4:補助金・優遇制度を活用して実質コストを下げる

国の「みらいエコ住宅2026事業」では、新築の長期優良住宅やGX志向型住宅などが補助の対象です(ZEH水準の注文住宅の新築は2026年9月30日で受付を終えています。予算の上限に達すると早く終わります)。耐震改修は別の制度なので、市区町村の補助を確かめてください。使える補助を組み合わせると、資材高騰による増加分の一部を補えます。ただし、国の住宅の省エネの補助金は、事務局に登録した事業者と契約することが条件で、建設業許可の有無とは別の条件です。

電卓と間取り図を前にした手元
電卓と間取り図を前にした手元(イメージ)

資材高騰時代に適正価格で建てるための業者選び

資材コストが上昇している環境で「安すぎる見積もり」は危険です。一方で、適正な価格で信頼できる施工をしてくれる業者を見つけることが施主の最重要課題です。以下のポイントで業者を選んでください。

  • 建設業許可の種類と業種を確認する:住宅新築なら「建築工事業」、リフォームならその工事の種類の許可を見ます(延べ面積150㎡未満の木造住宅や、500万円未満のリフォームなどは許可が無くても請け負えますが、許可の有無は会社を選ぶ手がかりになります)。許可業者検索ページで確認できます。
  • 資材の調達ルートを確認する:地域の生コンメーカーや資材商社と直接取引している業者は、中間マージンが少なく適正価格での施工が期待できます。
  • 価格変動の説明が丁寧な業者を選ぶ:資材高騰の現状と契約後の対応方針を分かりやすく説明してくれる業者は、施主との透明性を重視している証拠です。
  • 複数の許可業者で相見積もりを取る:最低3社の許可業者から見積もりを取り、価格・工程・資材明細を比較します。都道府県別の建設業情報・手続きガイドから地域業者を探せます。

まとめ:資材高騰時代の資金計画3原則

  1. 予備費を15〜20%以上確保する【2026年版】:2026年のメーカー各社の建材値上げを踏まえ、余裕を持った資金計画で住宅ローンを組む
  2. 契約書の価格変動条項を確認する:着工前に変更ルールを業者と明確にしておく
  3. 許可業者3社以上で相見積もりを取る:許可確認→価格比較→保証内容確認の順で業者を選ぶ

資材高騰は施主にとって避けられない現実ですが、正しい知識と準備があれば適正価格で満足のいく住まいを手に入れられます。まずは建設業許可業者の検索ページで、地域の信頼できる業者を確認することから始めてください。

よくある質問

Q. 資材高騰はいつまで続くのですか?マイホームの着工を遅らせたほうがいいですか?

A. いつまで続くかを示した公的な見通しはありません。資材の値動きは、国土交通省が公表する建設工事費デフレーターの最新の値で確かめてください。また、2026年6月にはフラット35 の借入金利(最低の金利)が3.21%に上がっており、着工を遅らせると金利負担が増える可能性もあります。着工時期を遅らせても資材費が下がる保証はなく、むしろ資材高騰と金利上昇のダブルリスクが高まる場合があります。「いつ建てるか」より「どの業者と建てるか」の選択が、コスト管理においてより重要なポイントです。

Q. ハウスメーカーと地元工務店では、資材高騰の影響はどちらが大きいですか?

A. ハウスメーカーは大量仕入れにより単価を抑えられる一方、既製プランから外れると追加費用が発生しやすい特徴があります。地元工務店は仕入れコストがやや高くなる場合がありますが、資材調達の柔軟性や施主との交渉余地がある点でメリットがあります。どちらも建設業許可の有無を確認してから比較することを推奨します。

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この記事を書いた人

建設業許可(一般・特定)の新規取得・更新・業種追加から変更届・廃業届まで幅広い申請実務に精通した許可申請の専門家。国土交通省の法改正情報を継続的に追跡し、都道府県ごとの審査基準の違いや落とし穴を解説。経営事項審査(経審)・入札参加資格・財産的基礎要件の確認方法など、中小建設会社が直面する許可維持の課題に対応した情報を提供している。

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