建設業許可は5年ごとに更新しないと効力を失います。国土交通省が2026年5月15日に発表した調査では、更新の手続をしないまま許可を失った業者が全国で前年度の約2.1倍に増えました。本記事では、和歌山県知事の許可を持つ建設会社の経営者に向けて、更新の期限・申請の窓口・手数料・必要書類を、和歌山県と国の公式の資料で確かめた範囲で整理し、失効を防ぐための社内の段取りをまとめます。一般と特定の違いは「特定建設業許可」の記事で解説しています。(出典:国土交通省の発表)
数字で見る:全国の失効と和歌山県の許可業者数
国土交通省の「建設業許可業者数調査の結果について」(令和8年3月末現在)によると、全国の建設業許可業者数は483,823業者で、前年同月より123業者(0.03%)増え、令和5年度末から3年連続の増加でした。一方で、令和7年度中に許可を失った業者は17,998業者(前年度比51.9%増)で、内訳は次のとおりです。(出典:国土交通省の発表)
| 区分(全国・令和7年度) | 業者数 | 前年度との比較 |
|---|---|---|
| 許可を失った業者の合計 | 17,998業者 | 6,151業者増(51.9%増) |
| うち廃業の届出をした業者 | 8,273業者 | 1,021業者増(14.1%増) |
| うち更新の手続をせずに失効した業者 | 9,725業者 | 5,130業者増(111.6%増) |

同じ発表では、許可の有効期間が平成7年に3年から5年に延びたため、更新を迎える業者が多い3年間と少ない2年間が交互に来ること、令和7年度は多い年の1年目に当たることが説明されています。この説明のとおりなら、令和8年度と令和9年度も更新を迎える業者の多い年に当たります。
和歌山県については、同じ調査の都道府県別の表で、令和8年3月末の許可業者数が4,529業者(前年の4,580業者から1.1%減)とされています。ピークだった平成12年3月末の6,758業者と比べると33.0%減で、減少率は秋田県・宮崎県に次ぐ高さです。なお、この調査の公表資料には都道府県別の失効の数は載っていないため、和歌山県で失効がどれだけ増えたかは公式の数字では確かめられません。全国の傾向として、更新の期限の管理が大切になっている、と受け止めるのが正確です。(出典:国土交通省の発表)
出典:国土交通省「全国の建設業許可業者数は3年連続で増加~令和7年度末の建設業許可業者数調査の結果~」(2026年10月8日確認)
更新のルール:有効期間5年と「満了の30日前まで」
建設業法第3条第3項は、許可は「五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う」と定めています。そして建設業法施行規則第5条で、更新を受けようとする者は「有効期間満了の日の三十日前までに」許可申請書を出すことになっています。和歌山県の手引きでも、たとえば許可日が令和7年4月1日なら有効期間は令和12年3月31日まで、と例が示されています。
押さえておきたい点は次の3つです。
- 期限は満了日ではなく30日前:有効期間の最後の日まで申請できるわけではありません。
- 申請していれば審査中も前の許可が続く:更新の申請をしていれば、満了日までに処分が出なくても、処分があるまでは前の許可が効力を持ちます(建設業法第3条第4項)。
- 失効したら新しい工事は請け負えない:失効の前に結んだ請負契約の工事に限っては施工を続けられますが、失効から2週間以内に注文者へ通知しなければなりません。通知を受けた注文者は、30日以内に限って契約を解除できます(建設業法第29条の3)。
和歌山県の手引きは、許可を受けずに建設業を営んだ場合は建設業法第47条により3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金に当たると説明しています。手引きは、許可が失効すると引き続いて営業をすることはできなくなる、としています。期限を過ぎたときの動き方は「建設業許可の更新期限切れ|1日でも過ぎたら失効・復旧までの手順」で詳しく扱っています。
出典:e-Gov 法令検索「建設業法」・e-Gov 法令検索「建設業法施行規則」(2026年10月8日確認)
和歌山県での申請先・手数料・出し方
業種ごとに見ると、和歌山県で当サイトに掲載している会社は次のとおりです(2026年10月16日に数えた)。1社がいくつもの業種の許可を持つことがあるため、業種の数を足しても会社の数にはなりません。
| 業種 | 和歌山県の掲載の会社 |
|---|---|
| とび・土工工事業 | 2,234社 |
| 土木工事業 | 2,066社 |
| 鋼構造物工事業 | 1,801社 |
| 建築工事業 | 1,768社 |
| 石工事業 | 1,765社 |
| 舗装工事業 | 1,707社 |
| 水道施設工事業 | 1,701社 |
| しゆんせつ工事業 | 1,602社 |
| 解体工事業 | 1,214社 |
| 管工事業 | 1,196社 |
| 塗装工事業 | 1,083社 |
| 大工工事業 | 898社 |
| 内装仕上工事業 | 863社 |
| 屋根工事業 | 781社 |
| タイル・れんが・ブロツク工事業 | 768社 |
| 電気工事業 | 617社 |
| 建具工事業 | 462社 |
| 防水工事業 | 442社 |
| 板金工事業 | 424社 |
| ガラス工事業 | 404社 |
| 左官工事業 | 400社 |
| 熱絶縁工事業 | 365社 |
| 鉄筋工事業 | 355社 |
| 造園工事業 | 262社 |
| 機械器具設置工事業 | 261社 |
| 消防施設工事業 | 193社 |
| 電気通信工事業 | 94社 |
| さく井工事業 | 31社 |
| 清掃施設工事業 | 3社 |
申請先は本店を管轄する振興局の建設部
和歌山県知事の許可の更新は、主たる営業所の所在地を管轄する振興局の建設部などに出します。県の手引きの「申請先一覧」では、次のように分かれています。
| 主たる営業所の所在地 | 申請先 |
|---|---|
| 和歌山市 | 海草振興局建設部 |
| 海南市・紀美野町 | 海草振興局建設部 海南工事事務所 |
| 紀の川市・岩出市 | 那賀振興局建設部 |
| 橋本市・かつらぎ町・九度山町・高野町 | 伊都振興局建設部 |
| 有田市・湯浅町・広川町・有田川町 | 有田振興局建設部 |
| 御坊市・美浜町・日高町・由良町・印南町・みなべ町・日高川町 | 日高振興局建設部 |
| 田辺市・白浜町・上富田町 | 西牟婁振興局建設部 |
| すさみ町・古座川町・串本町 | 東牟婁振興局串本建設部 |
| 新宮市・那智勝浦町・太地町・北山村 | 東牟婁振興局新宮建設部 |
2つ以上の都道府県に営業所がある国土交通大臣の許可の場合は、令和2年4月1日から和歌山県を通さず、近畿地方整備局に直接出す取扱いです。和歌山県の入札参加資格を申請している大臣許可の業者は、近畿地方整備局に出した更新申請書の写し1部を振興局建設部へ出すよう県が案内しています。
手数料と出し方
- 審査手数料:更新は5万円(新規は9万円)。一般と特定を同時に更新する場合は5万円+5万円=10万円になると手引きに例があります。
- 出し方:持参・郵送(書留郵便など)・電子申請のいずれか。電子申請は国の「建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)」で、和歌山県では令和5年1月10日から受け付けています。
- 手数料の納め方:電子申請の場合は、オンライン納付フォーム(令和6年9月1日から)か和歌山県証紙のどちらかを選べます。
- 審査の目安:県の電子申請のページでは、標準処理期間は閉庁日を除いて30日、更新申請は閉庁日を除いて22日とされています(補正や手数料の納付にかかる日数は含みません)。

出典:和歌山県「建設業許可について」・和歌山県「建設業許可の手引き(令和7年9月改訂)」・和歌山県「建設業許可・経営事項審査電子申請システムについて」(2026年10月8日確認)
更新の必要書類と失効を防ぐ段取り
更新で求められる書類
和歌山県の「法人の方へ」の必要書類一覧では、更新の場合、許可申請書・役員等の一覧表・営業所一覧表(更新)・営業所技術者等一覧表・誓約書・常勤役員等の証明書・健康保険等の加入状況などが提出の必須の書類として並んでいます。工事経歴書や財務諸表は更新では省略できるもの、定款は変更がなければ省略できるものとされています。個人事業者は別の一覧があります。

このほか、県の「建設業許可申請等に持参する書類」のページは、更新のときの持参物として次を挙げています。
- 前回の許可の「申請書(控え)」と、その後に出した「変更届出書(控え)」のすべて(決算変更届を含む)
- 役員などが成年被後見人などに当たらないことを確かめる書類(登記されていないことの証明書と、本籍地の市町村長が出す身分証明書など)。どちらも申請日前3か月以内に発行されたもの
- 社会保険の確認書類(更新でも省略できない書類として示されています)
省略できる書類があるかどうかは建設部に確かめるよう案内されています。
失効を防ぐための社内の段取り
更新の準備が間に合わなくなる原因になりやすいのは、毎年の届出がたまっていることです。和歌山県の手引きは、毎事業年度の終了後4か月以内に決算の変更届(工事経歴書や財務諸表など)を出すことを許可業者の義務として示しています。更新の窓口では、前回の申請以降の変更届の控えをすべて持参するため、ここが抜けていると準備に時間がかかります。そのうえで、次のように逆算して予定に入れておくと安心です(時期は当社の目安です)。
- 許可通知書で有効期間の満了日を確かめ、社内の予定表に「満了日」と「その30日前の申請期限」を両方入れる
- 半年ほど前に、決算の変更届や役員・営業所技術者等の変更届に出し忘れがないかを確かめる
- 2〜3か月前に申請書の様式をそろえ、申請日前3か月以内という発行期限のある証明書は日付を見て取り寄せる
- 申請期限より前に余裕をもって申請し、受付の控えを保管する
担当者1人の記憶に頼らず、満了日を会社の予定として共有しておくことが、いちばん確実な対策です。
出典:和歌山県「建設業許可申請関係様式一覧」(「許可申請 提出書類一覧(法人)」)・和歌山県「建設業許可申請等に持参する書類」(2026年10月8日確認)
よくある質問
Q1. 有効期間の最後の日に申請すれば間に合いますか?
間に合いません。建設業法施行規則第5条で、更新の申請は有効期間満了の日の30日前までに出すことになっています。更新の申請をしていれば、審査が満了日を過ぎても処分があるまでは前の許可が続きます(建設業法第3条第4項)。
Q2. 和歌山県知事の許可の更新の手数料はいくらですか?
更新の審査手数料は5万円です。一般と特定を同時に更新する場合は10万円になります。電子申請(JCIP)で申請する場合は、オンライン納付か和歌山県証紙のどちらかで納められます。
Q3. 更新しないまま期限が過ぎたら、施工中の工事はどうなりますか?
失効の前に結んだ請負契約の工事に限り施工を続けられますが、失効から2週間以内に注文者へ通知が必要です(建設業法第29条の3)。新しい工事(軽微な工事を除く)は請け負えません。
まとめ
全国では、更新の手続をしないまま許可を失った業者が令和7年度に9,725業者と前年度の約2.1倍になりました。国の説明では、令和7年度は更新を迎える業者の多い3年間の1年目に当たります。和歌山県の失効の数は公表されていませんが、和歌山県知事の許可を持つ会社が押さえることは共通です。有効期間は5年、申請は満了の30日前まで、窓口は本店を管轄する振興局の建設部、審査手数料は5万円、電子申請も使える。まずは自社の許可通知書で満了日を確かめ、決算の変更届に出し忘れがないかを見直すところから始めてください。
出典:国土交通省「令和7年度末の建設業許可業者数調査の結果」・国土交通省「建設業許可業者数調査の結果(概要)」(令和8年3月末現在・PDF)(調査結果の概要・詳細)・e-Gov 法令検索「建設業法」・e-Gov 法令検索「建設業法施行規則」・和歌山県「建設業許可について」・和歌山県「建設業許可の手引き(令和7年9月改訂)」・和歌山県「建設業許可・経営事項審査電子申請システムについて」・和歌山県「建設業許可申請等に持参する書類」(2026年10月8日確認)・国土交通省「建設業許可業者数調査の結果(詳細)」
この記事は一般的な情報をまとめたものです。法令や制度は変わることがあるため、最新の内容は公表元で確認し、個別の判断は窓口の役所や専門家(行政書士など)に相談してください。
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