沖縄県では2025年11月、屋根の点検をよそおって許可なくリフォーム工事を請け負った疑いで、会社の役員らが逮捕されました。許可の要る金額の工事を無許可で請け負うことは、刑事罰の対象になるだけでなく、会社の信用を大きく損ないます。本記事では、この件から学べる点と、沖縄県で解体工事業の許可を取るための要件、無許可工事の法的なリスク、社内で防ぐ仕組みを解説します。
沖縄県の無許可工事の摘発と法的なリスク
点検をよそおった無許可の工事
2025年11月、沖縄県警は、屋根の点検をよそおって(「屋根にひび」)許可なく500万円以上のリフォーム工事を請け負った疑い(建設業法違反)で、豊見城市の会社の役員ら20代の男4人を逮捕しました(沖縄タイムス)。
点検をきっかけにした工事の勧誘では、次のような点に注意が必要です。
- 無料の点検をきっかけにする:点検を名目に訪問し、必要以上に不安をあおって工事に誘う
- 金額を確かめないまま契約する:工事が広がり、許可の要る金額以上になってしまう
- 訪問販売の決まりを守らない:特定商取引法の書面の交付やクーリング・オフの説明をしない
建設業法第3条により、1件の請負代金が500万円以上(消費税込み。建築一式工事は1,500万円以上など。延べ面積150㎡未満の木造住宅の工事を除く)の工事を請け負うには、その業種の建設業許可が必要です。違反すると、建設業法第47条により3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(法人は第53条により1億円以下の罰金)の対象になります。
無許可の工事がもたらす経営のリスク
| リスクの種類 | 具体的な影響 |
|---|---|
| 刑事責任 | 拘禁刑(2025年6月より前は懲役)・罰金、経営者の逮捕・起訴 |
| 許可を受けられない | 建設業法違反で罰金刑を受けると、5年間は許可を受けられない(第8条) |
| 信用の低下 | 報道による企業の印象の悪化、取引先の喪失 |
| 民事の責任 | 施主からの損害賠償の請求、契約の取消し(特定商取引法)など |
解体工事業の許可の要件

解体工事業は2016年6月から独立した業種
建設業法の改正で、2016年(平成28年)6月1日から「解体工事業」が独立した業種になりました。それまで解体工事は、主に「とび・土工工事業」に含まれていました。今は、解体だけの工事を500万円以上で請け負うには、解体工事業の許可が必要です。
解体工事業の許可の主な要件:
- 常勤役員等:建設業(業種を問わない)の経営の経験がある常勤の役員など(例えば、経営業務の管理責任者として5年以上)
- 営業所技術者:解体工事施工技士、土木・建築の施工管理技士、とび技能士などの資格を持つ人か、解体工事の実務経験10年以上(指定学科の卒業なら3年か5年)の人を置く
- 財産的基礎:自己資本が500万円以上、500万円以上の資金を調達できる、許可を受けて5年間続けて営業した実績がある(更新のとき)、のどれか(一般建設業の場合)
- 誠実性:請負契約に関して、不正や不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと
- 欠格要件に当たらないこと・適切な社会保険への加入
工事の実績は、許可の要件ではありません。500万円未満の解体工事だけを請け負う場合は、建設リサイクル法の解体工事業の登録で足ります。
ほかの業種の許可との関係
土木工事業や建築工事業の許可を持っていても、それは一式工事の許可です。一式工事の一部としての解体はできますが、解体だけの工事を500万円以上で請け負うには、一般建設業か特定建設業の解体工事業の許可が必要です。業種の区分を取り違えないよう、受注の前に確かめましょう。
沖縄県での許可の申請の流れ
当サイトに掲載している沖縄県の会社の数は次のとおりです(2026年10月16日に数えた)。
| 区分 | 沖縄県の掲載の会社 |
|---|---|
| 解体工事業の許可を持つ会社 | 1,250社 |
| 建設業の許可を持つ会社(全業種) | 5,596社 |
申請までの段取り
1. 要件の確認
- 常勤役員等の経験を示す書類(登記事項証明書、確定申告書など)
- 営業所技術者の資格証や実務経験の証明
- 役員などの身分証明書と登記されていないことの証明書
2. 営業所の確認
- 営業所の賃貸借契約書や、自社の持ち物であることを示す書類
- 営業所の写真など(求められる書類は手引で確かめる)
3. 財産的基礎の確認
直前の決算の財務諸表(新しく開業した会社は開業時の貸借対照表)や、金融機関の残高証明書などで示します。
4. 申請と審査
書類一式を沖縄県の窓口に出します(建設業許可申請は電子申請の JCIP も使えます)。窓口と標準処理期間は、沖縄県の手引で確かめてください。
行政書士に頼む
書類の作成と要件の確認は、行政書士に頼むこともできます。経験の証明の書類をそろえる手間が大きい場合や、更新・変更の届出まで継続して任せたい場合に役立ちます。
点検商法と建設業者の責任
点検商法と法律の関わり
点検商法は、「無料で点検する」と訪問し、根拠のない修繕の必要を告げて工事の契約に結び付ける手口です。訪問販売で契約するときは、特定商取引法により、決められた事項を書いた書面を交付し、クーリング・オフについて説明する必要があります。うそを告げて勧誘すると、特定商取引法の行政処分や罰則の対象になり、消費者契約法により契約が取り消されることもあります。そのうえ許可の要る金額の工事を無許可で請け負えば、建設業法違反にもなります。
会社としての内部の統制と教育
- 許可の業種を明確にする:受けられる工事の業種と金額を社内のルールにし、許可の外の工事は受けない
- 受注の前の確認:契約の前に「この工事に要る許可」を確かめるチェックシートを使う
- 訪問販売のルール:書面の交付やクーリング・オフの説明を、営業の担当に徹底する
- 定期的な研修:建設業法と特定商取引法の基本を、営業と現場の全員に伝える
- 契約書の整備:国の「建設工事標準請負契約約款」などを参考に、工事の内容と金額を書面で明確にする
許可を受けた後の手続き
更新
許可の有効期間は5年間です。更新の申請は、満了の30日前までに出します(受付がいつから始まるかは沖縄県の手引で確かめてください)。更新では、毎年の決算変更届を出していることや、許可の要件を引き続き満たしていることが確かめられます。満了日までに申請しないと許可は失効し、その後に500万円以上の工事を請け負えば無許可営業になります。
変更の届出
| 変更の内容 | 届出の期限 |
|---|---|
| 常勤役員等(経営業務の管理責任者など)の変更 | 2週間以内 |
| 営業所技術者の変更 | 2週間以内 |
| 役員・商号・営業所の所在地などの変更 | 30日以内 |
| 決算変更届 | 事業年度の終了から4か月以内 |
届出をしないことは、建設業法の罰則の対象です。常勤役員等や営業所技術者が欠けて要件を満たさなくなると、許可の取消しの対象にもなります。
沖縄県で解体工事業の許可を持つ会社は、沖縄県の解体工事業の許可業者一覧で会社名や所在地から確かめられます。
よくある質問

Q1. 沖縄県で解体工事業の許可を取るには、どこに申請しますか?
建設業法にもとづき、営業所が沖縄県内だけなら沖縄県知事に、2つ以上の都道府県にあれば国土交通大臣に申請します。解体工事業は建設業許可の業種の一つで、常勤役員等・営業所技術者・財産的基礎(自己資本500万円以上など)などの要件を満たす必要があります。詳細は沖縄県の手引で確かめてください。
Q2. 無許可で解体工事を行った場合、どのような罰則がありますか?
許可の要る金額の工事を無許可で請け負うと、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象です(法人は1億円以下の罰金)。罰金刑を受けると、5年間は許可を受けられません。
Q3. 許可の取得までに、どのくらいかかりますか?
書類の準備にかかる期間は会社によって違い、審査の期間は沖縄県の標準処理期間によります。事前に沖縄県の窓口に相談し、早めに準備を始めましょう。
Q4. ほかの業種の許可を持っていても、解体工事業の許可は別に必要ですか?
解体だけの工事を500万円以上で請け負うなら、必要です。土木工事業や建築工事業の許可は一式工事の許可で、その一部としての解体はできますが、解体だけの工事には使えません。業種の追加の申請で対応します。
Q5. 無許可の工事を防ぐには、何をすればよいですか?
受注の前に、工事の業種と金額から必要な許可を確かめることが基本です。書類の準備は専門家にも相談し、営業と現場の担当に研修を行って、会社として防ぐ仕組みを整えましょう。
出典:建設業法(e-Gov 法令検索)・国土交通省「建設業の許可とは」(確認日 2026-10-06)
工事を頼む先や協力会社を探すときは、沖縄県の建設業許可業者を業種別に調べられる沖縄県の建設会社一覧もお使いください。
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都道府県から建設業許可業者を探す
全国の建設業許可取得業者を都道府県・業種から検索できます。
取った許可の業種と番号は、元請や施主が会社のホームページでも確かめます。建設業のホームページに載せる物|許可・業種・施工事例・採用の書き方
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